診療案内
インプラント
インプラント治療
歯を失ってしまった場合の治療方法の選択肢の一つとして、インプラント治療があります。当院ではインプラント治療もご提供しています(歯科用CT導入次第)。
人工の歯根を顎の骨の中に埋め込み、そこに被せ物を装着することで歯の機能を回復します。見た目や嚙み心地も天然の歯とほとんど変わらない優れた治療方法です。
当院で使用するインプラント
当院では世界的なシェアを誇るスイス ストローマン社のインプラントを採用しています。
手術前にはCTを用いて綿密に治療計画を立て、手術用ガイドと呼ばれる装置を使用することにより、安全で高精度な治療をご提供します。
※インプラント治療は保険適用外となります。
歯科用CTによる術前診査
当院ではモリタ社製の高性能歯科用CT「Veraview X800」を導入しています。被ばく量を抑えつつアーチファクト(画像の乱れ)の少ない高解像度の画像を取得できます。
CTは立体的に口腔・口腔周囲の組織を解析することができます。様々な角度からインプラント予定部位の顎の骨の状態(厚み・高さ・硬さなど)、周囲の血管や神経の状態、上顎洞の状態などを把握することができます。
安全な治療シュミレーション
このCTで得られたデータをインプラント治療のための専用ソフトで読み込むことで、インプラントの埋入位置・方向・深さをシミュレーションすることができます。このように、CT撮影はインプラント治療を安全に行うには必須の術前検査となります。
インプラント治療の
メリット・デメリット
インプラント治療は非常に優れた治療方法で多くのメリットがある一方、デメリットがあることも事実です。ここではインプラント治療のメリット・デメリットの一例をご紹介します。
メリット
- 自分の歯のように良く噛め、食事を楽しめる
- 残っている歯を削る必要が無いため、歯に優しい
- 入れ歯のように取り外してお手入れする必要が無い
- 自然な見た目に近い
デメリット
- 保険適用外なので費用がかかる(料金については以下の表をご覧ください)
- 治療期間が長期間かかる(通常3ヶ月~6ヶ月ですが、1年以上かかる場合もあります)
- 外科的な手術が必要になる
インプラントの料金
検査・診断料(CT撮影含む) | 16,500円(税込) |
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手術料(上部構造装着まで) | 330,000円~ 385,000円(税込) |
GBR(骨再生誘導療法) | 49,500円(税込) |
ソケットリフト | 55,000円(税込) |
軟組織移植術 | 66,000円(税込) |
検診料(3~4か月に1回) | 5,500円(1回)(税込) |
インプラント治療の流れ
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カウンセリング
現在のお口の中の状態のご説明とインプラントを含む治療方法の選択肢についてのご説明をします。
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術前検査・診断
CTや3Dシミュレーションによってインプラント治療予定部位の詳しい検査を行います。
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インプラント治療計画のご説明
治療の手順や手術時間の目安、予想される治療期間についてCT画像をお見せしながらご説明します。また、手術中・手術後の合併症のリスクについてもお話し、患者様に納得していただいた上で今後の治療を進めます。少しでも不安なことや分からないことがあれば遠慮せずに聞いてください。
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インプラント埋入手術
顎の骨の中にインプラント体を埋め込む手術をします。痛みが出ないようしっかりと局所麻酔をします。手術中は血圧や血中酸素濃度を計測し、患者様の全身状態を管理しながら安全性にも配慮します。
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消毒・経過観察
術後は手術部の消毒や抜糸をします。インプラント体が骨に結合するまでの術後3~6か月間は状態に合わせて経過観察に通院していただきます。
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アバットメント装着
骨に結合したインプラント体にアバットメントという土台と仮歯を装着します。
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補綴物(被せ物)作製
アバットメント装着から2~3ヶ月後を目安に補綴物(被せ物)を作製します。型取りを行います。
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補綴物(被せ物)装着
型取りから約1週間を目安に被せ物が完成します。口腔内に入れた状態で色や形をご覧いただき、納得していただいた上で装着します。
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定期検診
3~4ヵ月ごとの定期検診を受けていただきます。インプラントを長持ちさせるには、ご自身の歯以上にセルフケアと定期検診が重要となります。
インプラント治療に適さないケース
インプラント治療は歯を失った部分に他の歯を削ることなく歯を回復できる優れた治療法ですが、残念ながらどなたにでも適用できるわけではありません。以下でご紹介するケースに当てはまる方は、インプラント以外でどのような治療法があるのかを検討させて頂きます。
インプラント治療ができないケース
※記載しているのは一例です。詳しくは歯科医師までお問い合わせください。
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未成年の方
未成年の方は顎の骨が成長しています。顎の骨の成長の途中でインプラントを埋入した場合、その後の成長過程で治療前に計画したインプラントと歯の位置関係に狂いが生じる可能性があります。従って、未成年の内に残念ながら歯を失ってしまった方がインプラント治療をご希望の場合は、顎の骨の成長が終わるまで待つ必要があります。
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妊娠中の方
妊娠中の場合、術前のレントゲン検査や手術による侵襲、抗生剤や鎮痛剤の服用など母体や胎児への影響が大きく安全性を担保できないため、この時期はインプラント治療に適しません。
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Ⅰ型糖尿病の方・重度のⅡ型糖尿病の方
インプラント体埋入後は手術部を感染させないことが必要ですが、これら糖尿病の方は傷が治りにくく、感染もし易いという特徴があります。また、インプラント体と骨の結合や骨の治癒にも影響を与えるためリスクが高いとされています。
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骨粗鬆症治療薬を服用・注射中の方
ビスホスホネート系薬剤など、薬剤関連顎骨壊死を引き起こす可能性のあるお薬を服用している方が当てはまります。インプラント体と骨が結合しないばかりでなく、顎の骨が壊死して手術前よりも状態が悪化してしまう可能性があります。
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自己免疫疾患の方
リウマチや膠原病で治療中の方が当てはまります。治療のために服用しているステロイド薬は、傷口の治癒やインプラント体と骨との結合に影響を及ぼすリスクがあるとされています。
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血液疾患の方
白血病や血友病の方が当てはまります。インプラント埋入手術は出血を伴うため、血が止まりにくいこれらの疾患に罹患している方には適しません。
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放射線治療を受けている方
特に頭頚部に放射線治療を受けている方が当てはまります。インプラント埋入手術をきっかけに顎骨の骨髄炎を発症するリスクがあります。また、放射線治療は唾液の分泌量を低下させることがあります。唾液量が減少すると歯周病のリスクが上昇、すなわちインプラント周囲炎(インプラント版の歯周病)のリスクが上昇するため、インプラント治療は適しません。
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チタンアレルギー
インプラント体はチタンを使用しているため、チタンアレルギーの方はアレルギーを引き起こす可能性があり、残念ながら適用できません。
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脳卒中や心不全など生命に関わる全身疾患で治療中の方
インプラント治療によるメリットよりもインプラント埋入手術による全身疾患への影響などデメリットの方が多いため、適しません。
インプラント治療が難しいケース(場合によっては治療できるケース)
※記載しているのは一例です。詳しくは歯科医師までお問い合わせください。
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顎の骨の量が著しく少ない場合
インプラント体を埋入するためにはある程度の骨の量が必要となります。しかし、骨が著しく吸収してしまっている場合は事前に骨を移植したり骨を増やす手術が必要となります。
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喫煙している方
喫煙している方は、歯肉や骨への血流が減少していると言われています。このため、手術部の傷の治りやインプラント体と骨の結合に影響を与えます。手術の一定期間前から禁煙・減煙するなどの対策を講じる必要があります。
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強い歯ぎしり・食いしばりのある方
強い歯ぎしりや食いしばりは、インプラント体や骨に強い力をかけます。天然の歯には歯の根と骨との間に歯根膜というクッションの役割をする組織がありますが、インプラントには有りません。このため、インプラント体に過重負担となる力が加わると、インプラント体と骨との結合が弱まり、インプラント体が動揺したり抜け落ちてしまう可能性があります。
このため、強い歯ぎしりや食いしばりのある方はインプラント治療後にマウスピースをするなど噛む力への対策が必要となります。 -
咬み合わせる反対の歯との距離が著しく少ない場合
何らかの原因で咬み合う反対の歯との距離が著しく少ない場合があります。この場合は、咬み合う反対の歯を削って補綴するなどして距離を稼ぐための前処置が必要な場合があります。
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重度の歯周病の方
重度の歯周病に罹患している状態でインプラント体を埋入した場合、インプラント周囲への感染リスクが高くなります。手術後にインプラント体と骨がうまく結合しない、せっかく骨と結合したインプラント体に早期に感染し抜け落ちてしまう、などのリスクがあります。
このため重度の歯周病に罹患している場合は、まず歯周病の治療を行い口腔内の状態を改善する必要があります。
※重度の歯周病の場合顎骨が吸収されて少なくなっているため、インプラント治療には不利な条件となっている可能性が高いです。 -
Ⅱ型糖尿病の方
糖尿病の方は傷の治りやインプラント体と骨との結合に影響を与えるリスクがあると言われています。但し、HbA1cなど血液検査の結果コントロールが良好な状態の場合は治療可能な場合があります。主治医の先生と相談しながら治療を進める必要があります。
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骨粗鬆症の方
骨粗鬆症の方で、ビスホスホネート系薬剤などの薬剤関連顎骨壊死のリスクのある薬を服用していない方が当てはまります。骨粗鬆症の方は骨密度が低く、骨がもろくなってしまう傾向にあるため、インプラント体がうまく骨と結合しないなどのリスクが考えられます。
インプラント治療の成功率を高めるためには、他の部位から骨を移植するなど骨を増やす前処置が必要になる可能性があります。 -
重度の高血圧の方
重度の高血圧の方の場合、手術による不安や緊張などで平常時よりも血圧が上昇しやすくなります。このため、局所麻酔のみではなく静脈内鎮静法など血圧をコントロールするための方法を用いて手術する必要があります。
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